弊社代表嶋田が2月8日毎日放送報道番組「VOICE」の特集記事内に実名出演しました。

弊社代表取締役・不動産鑑定士 嶋田謙吉が、2011年2月8日(火)放送の、毎日放送報道番組『VOICE』の特集記事に実名入りで出演いたしました。

■毎日放送「VOICE」HP 「http://www.mbs.jp/voice
■特集記事名 「かつては資産家、衰弱死の姉妹の“事情”」

特集記事は、1月に起きた、豊中市で姉妹が相続税の支払いが出来なくなり孤独死した事件についての特集であり、嶋田はこのなかで、不動産の視点から、2人が経済的な破綻へと至ってしまった原因を推測しています。

嶋田出演部分は、毎日放送記者による嶋田へのインタビュー形式で、1月末に、事件の起きたマンションの前で行われた、30分程度の取材を短く編集したものです。

番組内では、『相続破産』といった言葉が、バブル崩壊後一時よく言われ、その直接の原因は、賃貸経営の失敗が引き金となるパターンが多いという部分のコメントが放送されましたが、私が不動産の視点から見た、この事件の背景について、取材のレジュメをご紹介させて頂きます。

『今回のこの痛ましい事件については、心から姉妹のご冥福をお祈りします。私の見解が、事件の背景を一般の方に理解してもらう一助となればうれしく思います。』

(事件の概要と取材目的)
豊中の資産家の娘である姉妹が相続税を支払えなくなって孤独死した事件について、専門家としてコメントを依頼されたものです。

(取材の概要)
記者:
「なぜ周囲でも資産家として知られていたはずの姉妹は、経済的に破綻してしまったのでしょうか」

嶋田:
「私は、なぜ2人が経済的に破綻するに、至ってしまったのかを、不動産の視点から推測してみたいと思います。但し、資料が非常に限られたなかでの、推測ですのでその点はご了承ください。私は、原因は大きく3つあると思います。

1つ目は相続が発生した約20年前はちょうどH3年でバブル崩壊の時期にあたっています。最も土地の価格が高い時代の、その高い評価額に対して非常に高額の相続税がかかってしまった。そして、ご存知の通り、その後地価は長年にわたり、急激に下落して行きました。

2つ目は、地主さん共通の意識だと思いますが、代々受け継いだ土地を手放すことはできないという意識です。相続開始のまだ早い時期であれば土地を売却することで相続税を支払うことはできたはずですが、やはりそれはなかなかできなかったと思うんです。マンションの前の道路の、H3年の路線価は、1㎡当たり47万、H13年は20万、今は16.5万で、10年で土地は約6割も下がってしまいました。いかに重い相続税なのかがこれでもわかると思います。

3つ目は、H13年から開始した賃貸マンション経営の失敗で、これが直接的な経済的な破綻の引き金になったといえます。この賃貸マンション事業の計画が、当初からかなりギリギリの計画だったと推測されます。ギリギリの計画であったため、賃料が下がってしまったり、空室が予想以上に発生したりで、たちまち、銀行の返済ができなくなってしまう、又、相続税の支払いもできなくなってしまうといった状態になってしまったのではないのでしょうか。もう少し安全な計画、例えば、建物の建築費をもっと抑えた計画や、マンションでなくハイツにするなど、もっと銀行の借り入れを少なくする安全性の高い計画を適切にアドバイスできる方がいれば良かったという気がしてなりません。」

記者:
「さきほど、賃貸経営の失敗が直接の今回の原因であるとおっしゃいましたが、一般的に、賃貸経営とは、結構難しいものなのでしょうか」

嶋田:
「賃貸経営は、そんなに簡単なものではありません。私のような庶民からみれば地主さんはもちろんうらやましいですが、地主さんの立場からすれば、親から受け継いだ土地を子供の代に引き継いでいくということは、実際なかなか難しいものです、簡単ではない。バブル崩壊後、一時期、『相続破産』という言葉 がはやりました。相続税の税率は、昨年度で最高50%、バブル直後はもう少し高かったのですが、それでも不動産を売却すれば破産することはないはずで、この相続破産は、賃貸経営の失敗が直接の引き金となるパターンが多いのです。今回のマンションは特優賃ですので、1室60㎡の2LDKタイプなのですが、今のこの周辺の相場で毎月の家賃は10~12万程度です。バブル崩壊後の地価の下落で、現在大阪周辺でも3000万前後で新築の家が買えるようになりました。3000万の家と言えば銀行のローンの返済で毎月7~8万の返済で家が持ててしまいます。

このようななかで10万を超えるような賃貸マンションの経営というのはなかなか以前に比べて厳しくなってきていると思います。又、今後、将来的に人口が減少していくということもあります。現在、大阪の賃貸マンションや賃貸アパートの合計に対する空家の割合は17%もあるのです。この17%という数字を聞くと、結構高いなあ、と思われるのではないでしょうか。この数字は全国の主要都市で大阪が最も高いのです。

この数字を見ても、賃貸経営というものがそんなに簡単なものではないということがわかって頂けると思います。」