弊社代表取締役・不動産鑑定士 嶋田謙吉が、2015年3月3日(月)放送の、朝日放送報道番組『キャスト』(「http://webnews.asahi.co.jp/cast/ 」)」にインタビュー出演しました。
道頓堀「くいだおれビル」前で、高橋大作アナからのインタビューに私が答える形式です。インタビューは、「大阪の「くいだおれビル」、香港ファンドが買収」というニュースを受けて、不動産評価の専門家である不動産鑑定士がコメントをするという趣旨で行われました。
(以下、朝日新聞デジタル版「http://www.asahi.com/?iref=com_gnavi 」 2015.3.2記事より転載)
大阪・道頓堀の名物人形「くいだおれ太郎」が入り口に立つ商業施設「中座くいだおれビル」を、香港の投資ファンドが2日、約100億円で買ったと発表した。
道頓堀は、中国や台湾などからの観光客に人気が高く、旅行会社と組んでビルの飲食店などに呼び込み、さらにもうかるビルに変えたい考えだ。
投資ファンドは「ダイナスティ・ホールディング・インターナショナル」。ビルを持っていた東京建物の子会社などから2月中旬に買い取った。
ビルは地下2階、地上7階建てで、床面積は約8千平方メートル。飲食店や土産物店、カラオケ店などが入っている。太郎は2008年に閉店した近くの飲食店から、09年7月に今のビルの前に移された。(西山明宏)
(以下は、インタビューの私の回答の概略です)
まず、最初に道頓堀に面しているこの土地の地価の相場ですが、昨年平成26年の地価公示で、1坪当たり約600万という値段がついています。
しかし、実勢の価格はその2倍程度、1坪1000万~1500万といったところではないかと思います。
そうしますと、このくいだおれビルは土地の面積が、約500坪ですので、土地の値段だけで50億~75億はすることになります。
また、家賃収入から言うと、1Fの家賃相場で、坪7万円から9万円はすると思いますので、ざっと、予想される年間の家賃収入は5億近くあがるビルといえます。
この家賃収入からみれば、70億~80億程度が適正な価格になるものと思われますので、今回の100億という価格は、2割~3割程度割高といえます。
ただし、現在、USJ効果もあって、大阪は、アジアからの観光客で前の年の4割増加といったペースで増えており、週末のビジネスホテルは満室でほぼ空きがないという状態です。
今回、香港のファンドがくいだおれビルを100億という金額で購入しましたが、このアジアからの観光客を相手として、くいだおれビルの収益も今後増加するという期待も込みでの取引と考えれば、100億という金額は決して割高といえないと思います。
第2、第3の今回のようなアジアのファンドによる高額の不動産取引が今後もでてくるものと予想します。